さて、360度パノラマの撮影と聞くとちょっと難しい感じがしますが、実はそんなにたいしたことはないのです。
おそらく最小構成で必要な機材は以下の4つになります。
- 三脚
- フリープレート
- 円周魚眼レンズ
- 一眼レフデジカメ
これを、下記の図ように組み合わせて、ピントを固定したまま前後左右4カット撮影した写真を合成すれば完成です。
ですが、この形だと合成が甘くなることが多いです。
なぜのような事がおこるのでしょうか?
それはノーダルポイントがずれているからなのです。
ノーダルポイントって?
簡単に説明すると、レンズの収差が最も収束する地点です。
ここを回転軸の中心に合わせることでバララックス(視差)の発生を無くし、合成精度を高めることができます。
ノーダルポイントの解説はこちらのサイトが詳しいので参考にしてください。
【ノーダルポイント】解説:パノラマ撮影の必須事項
これを利用することで、円周魚眼レンズ以外を使用しての360度パノラマ撮影も可能になります。※特殊な機材が必要になります。
今回は、あくまで簡単な360度パノラマの撮影の説明ですので、円周魚眼レンズを使用した、簡単な説明のみを執り行おうと思います。
それでも合成がおかしい場合
以下の点を踏まえて撮影してみましょう。
これだけでパノラマの合成成功率が格段に上がります。
- 絞りをF8以上にする
- 被写界深度表で撮影したい範囲がすべて収まっているか確認する
- 撮影カット数を増やす
- レリーズやwi-fi接続を使ってシャッターを押す
円周魚眼レンズを使用した場合、
- カメラに近い位置のものほど湾曲収差が起こりやすい
- 撮影犯意の円周付近ほど湾曲が起こりやすい
という特徴があります。
絞りが浅いとこれらが顕著に影響しやすく、失敗の原因になりやすいです。
湾曲は撮影カット数を増やすことで補正をより確実に行う事ができるため、撮影する場面によってはカット数を変えるという選択を必ず行いましょう。
最後は実に単純な問題。シャッターを押すときにカメラが一緒にずれているのです。
これらの器具が無い場合はセルフタイマーを使用すると良いでしょう。
さて、今回は簡単な360度パノラマの撮影を説明しました。
次回は機材を使ってより精度の高いパノラマを撮影する方法を紹介します。
→360度パノラマの撮影(機材版)はコチラ